2014.05.01 | INFORMATION

デザイン・フィロソフィー

今回は少し美容師目線の専門的なお話です。そして長いです。。

一昔前、僕らのおばあちゃんたちの世代は、カットしてブローする、という今のスタイルではなく、毛先を削ぐようにカットして最後はカーラーで巻いて逆毛を立ててセットするものだったそうです。そしてシャンプーはお家ではせずに美容室に行ったときにシャンプーしてもらっていたそうです。

ちなみに美容師さんがハサミでカットしてブラシでブローするスタイルを確立し世界に広めたのが皆さんも聞いたことがあると思われる『ヴィダル・サッスーン』なのです。実はシャンプーの名前ではなく、偉大な美容師さんの名前なのです。

少し話がずれますが、写真の世界では背景までくっきり写すものとピントを定めて背景をぼかすものとがありますよね。背景まで写すものが悪いとは言いません。ただそれだけだと普通のスナップ写真で終わってしまうしポイントがぼやけて何を主題に撮っているのかと言う主題が見る人には伝わらなくなってしまいます。

パーマやカラーを含めヘアデザインには凹凸やバランスを取りながら作っていくことを大前提にカットします。欧米人の綺麗な頭の形に近いデザインを作るには日本人の場合、骨格の補正をしながらカットしていくことが重要なのです。後頭部にボリュームを持たせ、かつハチを引っ込めて見せる、ということを意識してカットしています。

出っ張った部分は削る、もしくはその両サイドにボリュームを持たせることで解消されます。しかし骨を削ってしまう事は出来ないのでカットにより骨格を変えてしまうのです。日本人の多くの場合が後頭部が平らでハチが張っているので奥行きが無く平面的なデザインになってしまいがちです。

ブローやコテで巻けば多少はごまかせますが、やはり最終的にデザインを決定づけるのはカットだと思っています。カウンセリングのほんの数秒の間にそれらを見極めて頭の中で展開してカットしていくのです。楽しくお話しながらカットしていますがカット中の美容師の頭の中ではいくつものことを考えてながらお話しつつカットしているのです。

美容師さんの上手いヘタって、技術だけじゃなくて分析力だったりもすると思います。もし髪の悩みがあったら気軽に相談してみてくださいね!

 

大森