2015.05.20 | INFORMATION

山口小夜子というアイコン

IMG_2908

大森です。先日のお休みに清澄白河にある現代美術館に行ってきました。今やっているのが【山口小夜子 未来を着る人】という、ある人物をテーマにした展示でした。

今回のテーマである山口小夜子さんですが、誰もが一度は目にしたことがあるかと思われる、いわゆるジャパニーズビューティーのアイコン的存在でした。でした、と過去形なのは彼女はすでに故人なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IMG_2909もし彼女の事を知っているとすれば僕らと同年代もしくはもう少し上の世代なのではないでしょうか。今回僕がどうしても観ておきたかったのは資生堂でアイコンを務めた時代の広告群です。作品を写真には撮れないのでここではお見せできませんが、それはもう素晴らしい作品たちが目白押しでした。

中でも秀逸だったのが、コスメの広告なのにモノクロで撮影されたものでした。当時はすごいインパクトだったのだろうなぁと鳥肌が立ちっぱなしでした。

服飾系の学生当時、同級生のフィッティングから始まったキャリアは山本寛斎の目に留まりあっという間にスターダムへ。パリコレデビューもして、一流メゾンからもオファーがかかるようになったそうです。ハロッズなどのデパートでは彼女のマネキンが並んでいたそうで、当時のフィーバーを物語るエピソードです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IMG_2910
カメラマン、ヘアメイク、スタイリスト、彼女を取り巻く様々な人たちの証言や膨大な資料を贅沢に展示した空間でしたが、音楽活動やイラストやポスターの原画作成(元々は服飾系のが学生だったそうです)、自らスタイリング、舞台衣装のデザイン、作成など、とても多彩な表現者だったようです。

そして晩年には女優という舞台にも踏み込んでいました。独特の空気感、目力、艶やかな声、才能と努力の賜物なのでしょう。

モデルという枠に収まらない山口さんですが、多くの近しい方々が仰っていたのが、【彼女は服だけでなく、その場の空気すら纏っていたようだった】という事でした。デビューしたあたりこそ若さを感じさせる雰囲気ですが、歳を重ねてもその美しさには時間というものを感じさせません。

 

 

 

 

 

 

 

IMG_2911そして今やだいぶ浸透した新しい放送形態、U-streamの草分け的プログラム【Dommune】を主宰する宇川直弘さんはこの展示の為だけの番組を企画し、この会場のみでしか観れないプログラムが放送されていました。ゲストのメンツを見ると凄さが分かると思います。

 

大興奮のうちにようやく最後まで来てみると、外からの光が差し込む壁に一枚のパネルがありました。

 

『私は、人間は心が身体を着ているという言い方もできると思いますし、もっと言えば、人間はそれを取り巻くすべてのものを着ている。空気も光も。 山口小夜子』

 

 

 

 

 

 

 

IMG_2910

彼女自身の肉体は消えてしまっても、数々の作品として山口さんは人々の心の中に存在し続けるのですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IMG_2920せっかくなかなか来ない土地へ来たので帰りに散策してみると青山にも店舗のあるBlue Bottle Coffeeを見つけました。平日の昼過ぎなのに店内はお客さんが溢れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IMG_2921その通りには別のセンスのいいコーヒーショップやこんなかっこいいジェラートのお店が並んでいました。

 

東京のいわゆる下町エリアですが、街には若いお店や外国からの人たちと昔ながらの下町風景が混在していてとても興味深くaるくことが出来ました。最近アートに触れるのもご無沙汰だったのですが、今回インプットしたものをどうにかアウトプットしていきたいなと思いました。