2014.10.28 | INFORMATION

よしなしごとを書きつくる

大森です。先日久留米に行った時の出来事です。晩御飯は美味しいものを食べて美味しいお酒を飲もうと、先輩御夫妻に連れて行って頂いた造り酒屋にて。

 

I004887340_349-262

三人の子供たちがはしゃぐわけです。何しろ広い空間ですから。幸いお客さんが僕らくらいでしたのでボリュームを下げなさい、くらいに言い聞かせていたのですが、そのうちにお一人の背筋の伸びた60代と思しき女性がお酒を買いに入ってきました。

 

 

迷惑にならないように再三注意したのですが、外に出ては入って来てはまた外に出る、といった事を繰り返していた時です。買いにいらしたお客さんですか?と声を掛けられハイと答えると、一つ教えて差し上げるわと。敷居の上は踏んではいけません、と一言。子供たちが出たり入ったり繰り返す中でどうやら敷居を踏んでいたらしいのです。

 

 

僕たち親世代が育った時代は日本家屋が多く、我が家もそういった引き戸の玄関でした。そして部屋と部屋の間には襖があり、もちろん敷居がありました。

 

 

 

I004887342_219-164当時は親から敷居は踏まないことと教わりました。近所の大人たちからも当たり前のように言われていました。今では一軒家よりも集合住宅が増え玄関も洋風なドアに変わる中、そういったことを気にする機会も少なくなっていったのです。敷居自体が減れば踏むことも少なくなり、踏むことを注意することもされることも少なくなったのです。

 

目当ての酒を買って車に戻る途中、親たちは口々に、確かに当たり前なことだよね、少なくとも我々にはと。それと同時に、こういったことをきっちり教えてくれる大人も珍しくなったねと。こういう機会でもないとそんな事を教える機会がないのです。昔は近所のおじさんおばさんも怖かったですよね。今では近づいちゃいけませんとか言われてしまうんじゃないでしょうか。。

 

 

I004887118_349-262

そしてもう一つ敷居繋がりですが、敷居が高い、という言葉があります。そんな言葉も言葉だけを使われ、実際に高い敷居を跨ぐような事は少なくなってきていますね。

 

ちなみにですが、敷居が高いというと高級そう、だとか、レベルが高そう、といった分不相応的な意味合いで使ってしまいがちですが、実際には義理を欠いたり失礼をしてしまってその家に行きにくい(敷居を跨ぎにくい)という意味なのですが、だいたいが前者の意味で耳にしますね。(モチベーションも間違った使われ方が多い気が・・・)

 

といった細かいお小言は抜きにして、東京に消えた昔ながらの風景を見つけた久留米の旅でした。